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飛騨・美濃伝統野菜を守りたい

2022.01.05JAぎふ

飛騨・美濃伝統野菜を守りたい

JAぎふだいこん部会守口生産組合に所属する岐阜市の山田智明さんと妻の里絵子さんは、安全・安心にこだわり、食べた人に喜んでもらえる「守口だいこん」栽培を目指しています。

■就農のきっかけ(智明さん)
 山田家は、父の代から「守口だいこん」のほかにダイコンやエダマメなどを栽培していました。私は高校を卒業後、農業とは関わりのない車関係の会社に勤めていましたが、就職して8年が経った頃、父が病に倒れてしまいました。それまで農業は父に任せっきりだったので、私には継げないのではないかと諦めていましたが、次第に「父の意思を継ぎたい」という気持ちが強くなり、責任感と使命感で就農を決意しました。
 幸い周りには、JAの職員や父の若い頃からともに支え合ってきた生産者の方々がおられ、栽培についてのノウハウを学ぶことができました。おかげさまで就農して30年、苦労が多い分やりがいのある仕事だと感じています。

■苦労や課題
 「守口だいこん」は、100年以上の歴史を持つ飛騨・美濃伝統野菜に指定されているダイコンで「守口漬」とよばれる酒粕で漬けた漬物として流通しています。守口生産組合をはじめとする私たち生産者は「守口漬」の製造会社との契約栽培で、生産から販売までが一貫した流通形態となっています。お土産や地元旅館、料亭などで手にしていただくことが多いのですが、ここ2年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出が自粛されていたため、受注量がコロナ前と比べて半分ほどに減少してしまいました。伝統野菜を守っていきたい思いはありますが、安定した生産はできても収入面が不安定であるため、後継者不足などの課題と直面しています。
 夫婦2人で栽培していますが、重労働で体に負担がかかる作業が多く、無理のないよう作業を行っています。10年ほど前までは1本1本手作業で収穫していましたが、ルートティガーと呼ばれる自動収穫機を取り入れ、負担は軽減されました。収穫時の負担軽減は可能になりましたが、出荷時には、1束12キロで結びまとめる規定があり、1本が細長いとはいえ束ねたり運んだりするのにはかなりの体力を使います。

■今後の展望
 消費者に「守口漬」をPRすることも大切ですが、契約栽培であるがゆえ漬物製造会社へのPRにもチカラを入れていきたいと考えています。業者と密に連携し、販売・PRの提案、「守口だいこん」の栽培にかかる苦労や費用などを伝える機会を設け、売価向上に努めた活動を行うことで所得増大や新規就農者の獲得につなげたいと思います。


~守口だいこんについて~
 根の長さが1~1.5メートル、根茎2~3センチの細長いダイコンで、「世界一長いダイコン」としてギネス世界記録に認定されているほど珍しいダイコン。真っすぐ根を伸ばし収穫しやすくするため、河流の近くで砂が適度に混ざっている水はけが良い場所が適しているとされており、岐阜県・愛知県で生産されています。古くから栽培されている特色のある野菜「飛騨・美濃伝統野菜」の一つとして認証されています。

 「守口だいこん」を塩漬けにした後、何度も酒粕に漬け替え、2年以上の期間をかけて仕上げた「守口漬」は、べっ甲色で穏やかな甘さと香り、カリカリとした歯ごたえが魅力の高級漬物です。おいしい「守口漬」の購入はこちらから。

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