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伝統ある梨産地を守りたい~新技術導入し産地をけん引~

2019.09.17JAにしみの

伝統ある梨産地を守りたい~新技術導入し産地をけん引~

大垣市の㈱DIBの林達也代表取締役は、水稲との複合で経営する梨で、新技術「盛土式根圏制御栽培法」を導入し、経営の安定化、産地の維持・拡大を目指しています。「盛土式根圏制御栽培法」は、遮根シートの上に培土を盛土して苗を植え付け、根域を土壌から隔離して栽培する方法です。マニュアルに基づいたこまめな養水分管理を行うことで、根域の生育をコントロールし、早期の成園化、早期多収量生産、作業の効率化・省力化につなげることができます。同社では2017年2月に「盛土式根圏制御栽培法」の苗木を植え、3年目の今年初めての出荷を迎えました。今後は、モデル園として後継者育成にも活用していく考えです。

梨は通常、地上約1m80cmの高さの平棚に枝を固定して栽培しますが、「盛土式根圏制御栽培法」はY字に枝を張り出させ、密植栽培することで、農地の単位面積当たりの収穫量を増やします。施肥方法も工夫することで収穫量は通常栽培の2倍以上になります。
苗木を植えて2年目から収穫も可能で、通常栽培の成園化にかかる7~8年目より大幅に短縮できます。樹形もコンパクトなY字のため、作業がしやすく、日光も良く当たるため糖度の高い梨が期待できます。

大垣市は県内屈指の梨の産地ですが、生産者の高齢化や後継者不足が課題となっていました。そこで、立ち上がったのが林代表です。林代表は父の政美さんが大垣曽根梨部会の部会長として梨を栽培しており、産地への思いは人一倍強くありました。産地の維持・拡大のため、複合経営の品目として梨の導入を決め、15㌃に「幸水」「豊水」「あきづき」「甘太」の4品種の苗木を「盛土式根圏制御栽培法」で植えました。



今年の販売は、地元市場と直売が中心ですが、ネット販売の導入も検討しています。付加価値の高い梨として、オリジナルのネーミングでの出荷や加工品の開発で、ブランド化も進めます。さらに、管理作業の効率化・省力化、早期に収入が得られる利点を生かして新規就農者、定年帰農者など新たな担い手を確保するためのモデル園としても活用していく考えです。林代表は「まずは大垣の梨をこの栽培方法を通じて有名にしたい。そして、若者がもっと農業に参入してくれるよう、農業を魅力のある産業にしていきたい」と意気込みます。

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