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資源循環型農業に挑戦

2021.09.14JAぎふ

資源循環型農業に挑戦

岐阜市で肥育・繁殖農家として雌牛115頭(肥育)、雌牛24頭(繁殖)を飼育する野々村さん一家。地域一体となった資源循環型農業に挑戦しています。

■野々村家の経歴
私(浩志さん)の妻(栄子さん)の実家は酪農業をもともと営んでおり、社会情勢の変化とともに肉牛への経営転換を進めていました。私の父も和牛飼育をしていたため、幼少期からエサやりやブラッシングなどの手伝いで牛とふれあう機会が多くありました。そうした中、次第に牛を育ててみたいという気持ちが強くなり、結婚を機に妻とJAを退職し義父の元に就農しました。2002年には完全に和牛飼育に切り替え、現在では115頭の雌牛を肥育しています。

地域の理解・協力を得ながら転作田を借り、粗飼料を自給し堆肥もほ場に還元していくなど、資源循環型農業に挑戦してきたことが実を結び2020年2月、美濃市の県中濃総合庁舎で行われた第57回自給飼料共励会で、総合優等賞1席(農林水産大臣賞)を受賞しました。共励会は第1部(牧草)、第2部(飼料作物)、第3部(調整品)の3部門があり、第1部門と3部門に出品。乾物収量が10アール当たり1,830キロと非常に高く、サイレージ(乳酸発酵させて貯蔵性を高めたエサ)も色や香味、飼料成分とも良質な仕上がりになっていることが評価され、最高位の賞に輝くことができました。

■大変だったこと
2001年に国内初のBSE(牛海面状脳症)が発生したことは、肉牛農家にとって未だに忘れられない衝撃のできごとでした。牛肉の消費が一気に冷え込み、市場価格も暴落したことで、経営をあきらめる農家もたくさんありました。

このBSE発生がきっかけとなり、和牛と交雑牛(F1牛とも呼ばれ、一般的に母牛がホルスタイン種・ジャージー種などの乳牛と、父牛が黒毛和種の肉牛との間に生まれた牛)の価格差がひらいたことで、2002年から全頭和牛に切り替えました。

■今後の展望
販売関係の企業に勤めていた息子(智仁さん)が、私(浩志さん)の夢の一つだった繁殖和牛(黒毛和種の雌牛で子どもを産むため飼育されている牛)をやってみたいと、2016年に就農を決意しました。2019年には、私の知り合いである繁殖和牛農家で勉強させてもらい、経営手法や心づもりを学びました。2021年4月に繁殖用牛舎が完成し、現在24頭の雌牛を飼育しています。いずれは、50頭の雌牛を飼育し、繁殖農家が目標とする1年に1産をめざしていきます。

飛騨牛の生産基盤である、繁殖雌牛頭数や肉用飼養戸数などが年々減少するなか、肥育と繁殖で全国でも名が知られるブランド牛を守りつつ、安定経営の実現に向け「家族経営協定」を締結し、家族一丸となりがんばっていきます。

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