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小さな循環を続けていくことが夢

2021.05.20JAひがしみの

小さな循環を続けていくことが夢

恵那市山岡町の三浦大地さんは、29歳のとき、日本と海外の農業研修生をコーディネートする団体の仕事を辞め、実家の両親のもとで就農しました。2020年に、繁殖母牛14頭、育成牛5頭、子牛8頭、平飼いで有精卵を採卵する鶏1,500羽、水稲4ヘクタールの農場経営を父・正教さんから引き継ぎました。

「僕のお客さんは『ほぼ、顔を知ってる人』ですね」とお米や卵の販売先について話す大地さん。

父子ともに三重県の愛農学園農業高校出身。大地さんが中学生の頃、父が自宅に高校の後輩を受け入れ、家族のように生活する中で、その高校生たちの生き生きとした姿が大地さんを惹きつけました。

学園から三重大学に進み、卒業後は両親の後押しもあって、ドイツ語を学びスイスの農家へ1年間留学。大地さんは、スイスについて「余暇を活かして家族や恋人とよく散歩に出かけ自然の息吹に目を向ける。誰とでも行き交えば挨拶を交わし、放牧牛を愛でたり、牛舎に牛乳を買いに来たり。そういう時間を大切に楽しむスイスの人々の姿が印象的でした。こどものおもちゃにも、トラクターや運搬車など農機がたくさんあって、農業にたいする感覚がとても温かかった。自分がふるさとで農業を生業にするようになって、スイスの人々にも胸を張って紹介したい日本らしさは、ここにもたくさんあると思っています」と話します。

帰国後は自身をスイスへ送り出してくれた団体で働いて6年。送り出した日本の青年が自信を得て帰ってくる姿、日本に招いたアジアの青年が故郷でリーダーへと成長した姿を見ることが喜びとなり、家業を継ぐことにもずいぶん迷いました。


三浦さんは、飼料に良質な原料や非遺伝子組み換えの穀物を使用することを目指しており、水稲4ヘクタールの半分は飼料用。飼料米を与えた卵の黄身は、やさしい黄色をしています。育苗から精米まで手掛ける4品種の米と一緒に卵かけご飯セットとして販売するなど、国産や非遺伝子組み換えのものを求めるお客さん、消費者と支えあって営んでいます。「手間はかかるけど、買ってくれた人の声が直に聞けて張り合いにもなる。僕はこれがいい。身近な資源と信頼の人づきあい…この小さな循環を続けていくことが夢」と笑います。

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